宇宙こぼれ話

虎野 第1回 宇宙の大きさ

宇宙の大きさ

 第1回の今回は、「宇宙の大きさ」について皆様に分かってもらおうと思っています。そう、まさに解って欲しいのです。
 私たちが住んでいるこの宇宙の年齢は約136億年と言われています。その136億年のどこかで私たちの太陽系が所属する銀河系が誕生しました。宇宙全体の本当に小さな点のような存在の銀河系ですが、その大きさはどのくらいなのでしょうか。

 右の図を見てください。我々の住む銀河系を真上から見た想像図です。その直径は10万光年あります。「光年」と言う距離の単位は、光(約300,000km/秒)が1年間に進む距離のことで、約9,400,000,000kmです。この10万倍ですので今話題の世界最速のスーパーコンピューター「京」と同じ、94京kmとなります。
 とても具体的には感じられない距離ですよね。そこで、皆さんもよくご存じの新幹線(時速300km)で横断するとどのくらいかかるでしょう。

 なんと2,600億年かかります。宇宙が誕生した時にスタートしても5%位しか進めていません。
 それでは、太陽系に最も近い恒星であるケンタウルス座α星迄ではどうでしょうか。
 太陽からの距離は4.4光年。41兆kmですので、新幹線のスピードだと1,560万年で横断できます。2,600億年に比べるとまだ現実味がありそうですね。それにしても時間がかかりすぎです。
 では、人類が今持っている技術で最速の乗り物はロケットですので、これを使えばどうでしょうか。ロケットは時速40,000km(1周)ですが、それでも銀河系横断には26億年、ケンタウルス座α星までは11万年かかります。
 宇宙がいかに大きいか感じて頂けましたでしょうか。

 

 では次に違う視点からの宇宙の大きさを感じて頂きましょう。
 もし地球がサッカーボールの大きさだったら、地球の周りの距離(大きさ)はどのようになるでしょうか。

 

 凄く高い高度を飛んでいると思えるジェット機で、わずか0.19mmです。宇宙と大気圏の境目ですらわずか1.7離もやがては乗り越えることができる距離になることでしょう。

虎野吉彦
執筆者
元顧問虎野吉彦